音楽。日常。ビール。2

好きな音楽や興味関心のあることについてだけ。

【雑記】Lemon/米津玄師(映像盤)

今年の年始に参加した米津君の武道館2daysについて何も書かないままだけれど、その時の米津君の姿を残した映像がようやく日の目を見ることとなったので、それについて少しだけ(発売から2か月超のタイムラグ…)。

 

2014年から本人名義でのライブ活動を始めた米津君。

作品を出せば何でも結果を残してしまう彼だけれど、TVやDVDにライブ時の映像を提供することは頑なに拒んで(?)いて、それが今年、ようやく解禁ということで。作品だけでなくライブも追いかけている身としては念願のライブ映像。

そのライブ映像について、3月に発売されたシングル『Lemon』の初回限定・映像盤にのみ、武道館ライブ2日目の曲中8曲が収録された。

 

視聴してまず思ったのは、特典にするにはあまりに勿体なすぎるということ。

カメラワークはギターベース少な目ではあるものの、映像や照明にもスポットを当てているし、音も最高(ミックスはシングルと同じ小森雅仁さん)。

ベースがかなり全面に出ていてライブ感がよく伝わってくる。

もっと商売っ気を出しても良かったのでは…。

 

で、どの曲も良いんだけれど、個人的に『春雷』『ゴーゴー幽霊船』『灰色と青(+菅田将暉)』の三つを収録してもらえたのはとても嬉しかった。

 

まず『春雷』は照明及びVJの美しさよ。カラフルな色ばかりなのに目がチカチカすることはなくて、ちょっと儚い感じが出てて好き。MV以上に好き。

 

次に『ゴーゴー幽霊船』。diorama版とは違ってベースの躍動感があって聴いててワクワクする。dioramaはアルバムとして完成されたものであって米津君以外の者の音の入る余地がないのは重々承知だけれど、歳を重ねてライブも少しずつ増えて、現在のバンドで鳴らす『ゴーゴー幽霊船』を形として残してもらえるってのは本当に嬉しいなと。

 

そして『灰色と青(+菅田将暉)』。これがまさか収録されるとは思ってもみなかった(権利的に)。

DVD収録中の8曲は、米津君のギターを弾く姿をほぼ確認できないのだけれど(ほぼ弾いてないのに構えてる曲もあるね)、この曲では頭からギターをつま弾く姿が見られる。そして米津君と菅田君の絶妙なハーモニーをばっちり確認できる。MVとはやっぱり違うから、ありがたい。二人の立ち振る舞い、表情(米津君はあまり見えん…)の比較も楽しい。

また、菅田君の言葉を宙に浮かせるような、ぽつりぽつりと胸の内を吐き出すような歌い方がたまらなく素敵。

 

そんな(?)米津君のライブを拝める『Lemon』映像盤はまだ店頭やネットでも購入出来る模様(2018.6.3時点)。シングル3曲+ライブ映像8曲+MV2曲で1,900円(税抜き)というのは本当にお得だと思うので是非手に取ってほしい。

 

余談をひとつ。最近センター街では毎日のように米津君のLemonが流れている。イントロを聴くたび学習することなく嬉しくてハッとしてしまう。

米津君はもはや2010年代を象徴するようなミュージシャンなのだな、としみじみ。

【二日目】RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO

ライジング二日目は朝からほぼひっきりなしに雨降り(初日のFNS終了後から本降りになった模様)。

スクービーから踊り倒してスタートするつもりが、風呂上りにゴアテックスの上着と履いてきたマーチン(スカート×レギンスで足首から浸水)を乾かすためテントでゴロゴロ。こんなにまったりスタートするライジングは初めてだったかも。

 

【観たもの】

フジファブリック@RAINBOW

盛り上がる曲を詰め込みましたーなセット。ダンス2000があれば完璧だな。

北海道にちなんだ曲としてGumとLIFEを演奏してくれたんだけど、この二曲が良かった。LIFEの入りの、ちょっと情けない(?)歌い方が好きなんだよね。雨で多少気持ちは落ちていたけど気持ちが上がった。Surfer Kingではスカパラホーンズにちょっと期待したたんだけどな。

●セットリスト●

(リハで夜明けのBEAT※ボーカルなし)銀河/カンヌの休日/Sugar!!/虹/Gum/LIFE/SUPER!!/Surfer King/若者のすべて

長岡亮介(ペトロールズ)@BOHEMIAN GARDEN

そんなに曲は知らなくても、観るたびに穏やかな気持ちにさせてくれるのでついつい足を運んでしまう長岡さんのステージ。雨に打たれながら聴く長岡さんのギター、歌声もとてもステキだった。最後の最後に雨の演奏をしてくれたのは憎いよね。ゆるゆるのMCも、ライジング、ボヘミアンの空気によく似合ってた。

・Nulbarich@RAINBOW

ようやくライブを観ることのできたナルバリッチ。

7人編成だったかな?ボーカル以外がかなりステージの端に寄ってて、不思議な立ち位置だなと思って観てたけど、ボーカルメインのプロジェクト(?)だからなのかね。

人数多くても全体的に全然煩くなくて音の隙間が心地よかったけど、屋根のないステージの方がきっと似合う。ボヘミアンかレッドで次は聴きたいな。

・シンリズム@BOHEMIAN CIRCUS

ほんの数曲で泣く泣く移動しちゃったけど、ループマシンを使う一人シンリズムver.だったのでとても面白かった!間近で観るとワクワクが増す。場所柄人があまり集まらないのがちょっと勿体ない。

去年はバンドで、今年はデュオ(と言っていいの?)での弾き語りにソロにと、様々なステージに出てる彼はWESSの方に好かれてるんでしょう。嬉しい。また呼んでもらえるかな。

・成山剛(Sleepy.ab)@TAIRA-CREW

毎年恒例になりつつある(バンドや成山内も含め)成山さんのステージ。今年もタイラクルーにて。雨がそれなりに降っていたこともあり、時間帯が18時台ということもあり、今年は寝ずに立ったまま鑑賞。

最初の一曲は福原美穂さんとのApologiesでちょっと豪華。どの曲も雨の音、葉っぱの揺れる音、鳥のさえずりなど、タイラクルーだからこそ感じられる自然の音との混ざり合いが最高だった。最後に持ってきたねむろ、もうこの森では聴けないんだと思うとちょっと泣いた。

イラクルーはこの森でやるのは今年が最後とのこと、場所が変わるの?なくなるの?

またいつか、森の中で成山さんの歌声を聴ける日がきたらいいな。いつも至福の時間をありがとうございました。

CORNELIUS@RED STAR FIELD

ツアー前に、大好きなライジングの大好きなレッドスターで聴けるだなんて。

張り切りすぎて、コーネリアス前にテントで休息を取って、珈琲を飲みながら万全の状態で臨んだ。

始まる前から白い幕に映し出される砂のような波打つ映像。

Mellow Wavesのshowとしてオープニングとエンディングは演出されてて、リリパと同じだったけど、同じであっても全然退屈しない。60分間、Mellow Wavesの世界に誘われる完璧なshowだった。レッドのような大きなステージだと映像・演奏ともにさらに映えて、より世界観に入り込めるのね。最新作からは4曲しか演奏してないけど、それでもしっかりMellow Wavesの世界が成り立ってるんだから凄い。何度見ても四人ともかっこよすぎて笑えてしまう。最強。

前方エリアにいたおかげで周りは食い入るように見つめていたけど、あまりに楽しくて変な声出ちゃったし腕挙げちゃった。お酒がなくても酔える音。大好き。

あと10年後なんて言わないで、またすぐにでも出てほしい。楽しかったーーーーー。

・D.A.N@RAINBOW

少しだけでもと思い楽しみにしてたのに、前のアクト(DJ)が押してしまい一曲しか観ること叶わず…。妖しい雰囲気が夜によく似合ってた。勿体ないことしたな。

Suchmos@RED STAR FIELD

23:40にスタートとのことで期待せずにはいられない、個人的に初の真夜中サチモス。

雨がそれなりに降っていたためレインウェアを着たままだったけれど、あほみたいに踊り倒した。MINTやWIPERといったシングル曲を封印してアルバム曲をやってしまうんだもの。AlrightやGAGAも良かったけど、個人的にはTOBACCO→SNOOZEの流れが完璧だと思った。日付変わってから演奏してたけど、夜中に雨に打たれて聴くこの二曲はほんとうに泣ける。特にTOBACCOの歌詞の沁みることこの上なし。

あと、「EZO!EZO!!!」と煽るヨンスにニヤニヤが止まらなかった。

自分たちのスタイルを貫いていくんだろうなと、彼らの意志を感じるのはセットリストからもそうなんだけど、それに加え、MCであそこまでフェスを作る側・私たち参加者へのリスペクトを語ってくれるミュージシャン、私は知らない。ヨンスのかっこよさは多分そういうところから滲み出てくるものだね。痺れた。

次はキャパで言えばサンステかもしれないけれど、私はまたレッドで観たい。

●セットリスト●

S.G.S4(Short)/YMM/Alright/BODY/FACE/TOBACCO/SNOOZE/STAY TUNE/GAGA/OVERSTAND

くるり@SUN

テントで仮眠を取ってから最後は起きてるテント班でオオトリのくるりへ。

気が付いたら始まっていたし、インスト?の知らない曲の時に眠くなってきてビスコを齧ったり。この最後の時間帯の極限との闘い(?)も面白いよね。

古い知ってる曲を聴けて喜んだり、ライブで聴いてみたら上海蟹の曲が意外にもかっこよかったり。アンコールはロックンロールの一曲のみで、涙ぐましいMCは一切なく、「またね~」の岸田さんの言葉であっさり終わってしまったけれど、朝日も朝焼けも見れないどんよりした空にはこんな終わり方もいいのかも。

 

【食べたもの】

ニートースト(ルタオ)、グリーンカレー(PROVO近く)、アメリカンクッキー(チョコチップたっぷり)&珈琲(レッドすぐ後ろの専門店、名前失念)、想いの茸チーズ、カレーラーメン(終演後もやってたサンステ向いのお店)、生ビール×2、ラムチャイ(タイラクルー)、スイカラガー、水

【1日目】8/11(金)RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO

個人的に8度目の参加となるライジング’17。

今年も最高に楽しかった!この日は曇り。たまに小雨。入場待機の際に砂埃が少し気になった。

以下、初日についての感想等。

【観たもの】

エマーソン北村@BOHEMIAN CIRCUS

すぐそばでエマーソンがウェルカムライブをしているのを聴きながらテント設営。鍵盤の音が楽しげでテンション上がる。フォレストのテントサイト最高じゃない?

清水ミチコ@RAINBOW

テント内に収まりきらず、外で声だけ聴きながら。ユーミンとか森山良子とか、前回観た時と同じネタのはずなのに、面白すぎる。

Rei×NakamuraEmi@BOHEMIAN GARDEN

ナカムラさんのライブは去年のレッドスターカフェで観てグッと来たので、他と迷いながらも今年も。Reiさんのギターかっこよかった。ナカムラさんの歌はやはり力強くて心に響く。二人ともかっこいい女性だな。

・B'z@SUN

まさかライジングで彼らを拝めるとは…。殆ど曲を知らなかったけれど楽しめた~。子連れのパパママたち、B'zのステージが始まると我が子に一目見せてあげようと肩車し始めたのが印象的だった。

ラストのウルトラソウルの盛り上がりはヤバかった。この日一番石狩の大地が揺れたのでは(「ハイッ!」のところ)。笑

ストレイテナー@RED STAR FIELD

三年ぶりのテナーのライジングでのライブ。出たくて仕方なかったんだろうなと伝わってくるアツい演奏で、こっちもまたこの場所で観れることが嬉しすぎて泣きそうになったよ。新旧織り交ぜたバランスのいいセットで、50分が一瞬のようだった。猛ダッシュしたもののリハはお尻の部分しか間に合わず…(泣)フェスでもSADやクラッシュを演奏してくれるの嬉しい。ラストにMAGIC WORDSを持ってくるのはずるいよ。MCが殆どなくって、全部出し切って全部音で伝える気満々なんだなとグッと来たよね。

来年もどうかどうか、テナーを出してください。WESSさま…。

●セットリスト●

(リハでROCKSTEADY)Melodic Storm/DAY TO DAY/SAD AND BEAUTIFUL WORLD/Alternative Dancer/From Noon Till Dawn/シンクロ/クラッシュ/冬の太陽/シーグラス/MAGIC WORDS

・シンリズム with 高野勲、宮崎朝子(SHISHAMO)@TAIRA-CREW

途中からだけど、タイラクルーでシンリズムくんのライブ。去年はボヘミアンガーデンで観てそちらも良かったけど、タイラクルーの幻想的な雰囲気もよく似合ってた。ただ、シンリズムくん目当てで観に行ったのに、宮崎朝子ちゃんのコーラスがあまりに綺麗で惚れ惚れしちゃった。声が良いのは勿論、歌い方のちょっと悩ましい部分があまりに可愛すぎて。

来年は朝子ちゃんもソロでひとつくらいステージやってみませんかね??

THE BACK HORN@RED STAR FIELD

バックホーンは暗闇のステージ、赤色がよく似合うなと思ったのはこれで何度目か。

まったり聴くつもりが、初っ端からブラックホールバースデイで興奮してしまった。

ちょっと将司の高音が苦しそうだったけど、相変わらずかっこよかった。

ホリエアツシ(東北ライブハウス大作戦)@RED STAR CAFE

最初は諦めるつもりだったけど、テナーのライブを観た後にはそんな選択肢なんて無くなっていて。ホリエさんのソロもまた、ライジングに対する愛情の伝わってくるステージだった。ライジングは『フェスの極み』だってさ。こんなに愛してくれてるんだから毎年出してくれてもいいじゃないですか~(泣)

ハイブリッドレインボウは個人的にとてもお気に入りの曲なので泣けた。まさかホリエさんの声で、ここで聴けるとは。REMINDERはいつも以上にエモく聴こえた。1/6の夢旅人は途中でやめちゃった。

長渕カバーの乾杯の音頭は聴いたの二度目だけど、もう…(笑)

SANABAGUN.@def

他のバンドとどうやら勘違いしていたと、ステージを観て気付きびっくりした。

岡崎体育@def

想像以上に酷い溢れかえる人人人。テント外の盛り上がりもなかなかで、藁の敷かれた地面が揺れるほど。来年はレッドかサンでお願いします。

・打首獄門同好会@EARTH

こちらも途中からで、中には当然入れず。初めて曲を聴いたけどバキバキしててかっこよかった。もっとちゃんと観たかったなー。

・FRIDAY NIGHT SESSION~SKA IS THE PARADISE~@RED STAR FIELD

スカパラの演奏に、度々ボーカリストが加わるというスタイル。曲と曲の間にたまに入るスカの歴史についての解説は、要らなかったような…。

後半になるにつれてステージのボルテージが上がっていったようで、滅茶苦茶楽しかった!いつの間にか眠気も消え頭も冴えてた。よっちゃん(エゴ)の雌猫(?)のような演出もセクシーで良かった♡歌声は間違いないね、かっこよかった。

峯田によるいかれたbabyはコールアンドレスポンスがあって、不思議な感じもあったけれど、峯田ならではの少し外れ気味な歌い方が曲にとても似合っていて泣きそうに。リスペクトの仕方は色々だな。

カナリア鳴く空の時だったか、チバさんの横にSuchmosのヨンスが肩を並べる光景にはグッとくるものがあった。見たこともないような緊張した様子のヨンスが少しかわいく、二人が親子のようにも見えて、なんだか優しい気持ちになった。

 

【食べたもの】

じゃがバタ、パイネ、メロンエール、生ビール×2、カルアミルク(その他ソイジョイビスコウイダーインゼリー、ちょっとしたお菓子など)

7/14(金)米津玄師 2017 LIVE /RESCUE@東京国際フォーラムA

個人的に待望であった米津くんのホール公演。

どんな粋な演出で楽しませてくれるのかなと胸を膨らませて待ったこの日。

 

序盤はライブでも耳に馴染んできた『ナンバーナイン』、『フローライト』に『メランコリーキッチン』。

『フローライト』の米津君と中ちゃんのギターの掛合い(?)が私は大好きなんだけど、いつもより中ちゃんギターが圧倒的にキレキレで、「中ちゃん…?じゃない…?」と動揺しながら聴いてしまった。ホールの音響のせい?

とにかくかっこよくて、早くも泣きそうに。

 

その次の『あたしはゆうれい』は背景に檸檬色をババンと。ビビッドな檸檬色。

これがシンプルにとても良かった。曲に集中。ノるのがちとむずかしいけども。

 

そして『翡翠の狼』。寂しい気持ちを軽快に歌う曲はやっぱり最高なんだよね。他のミュージシャンでもそう。淡いブルーの照明を浴びながら雄たけびをあげる米津くん、良かったな。

自分の後方にいた男の子(と思われる)が合いの手のように指笛を数度、ちょうど良いタイミングで吹いていたことが曲の世界をさらに引き立てていた。

 

その後まもなく始まった『Black Sheep』。前回の演出でも特に良いと思ったけれど、今回もこの曲はさらに良くて、グッときて涙が止まらなくなった。無機質な黒系の背景に、いつもより感情的にかき鳴らすかのような中ちゃんのギター。ライブで聴けて本当に嬉しい。無機質な曲のはずなのに、血の巡りが感じられるところにどうしようなく美しさを感じる。

 

それから「新曲をやる」と宣誓した後始まった『砂の惑星』。映像は南方研究所作だそう。ニコニコ動画に上げられたものとは色(?)が違うみたい。

CM(?)で聴けるちょびっとのサイズ以上に、フルで聴いたらすごく楽しい曲だった。

マイナー調であっても、リズム感が絶妙でとにかく踊りたくなる。若干けだるい米津くんのボーカルも曲の雰囲気に似合っていた。

 

『orion』は背景?に星空のような演出、最後のサビあたりでミラーボールが回転。キラキラした部分以上に、スカイツリーを意識したと思われる背景の高いポールのようなものに私は心奪われた。きっとアニメの影響よね。

そしてこの曲、初めてライブで聴いたはずなのに、何度も聴いたことがあるよう感じが強くて不思議な感覚だった。

次に演奏した『ゆめくいしょうじょ』。お馴染みの『沙上の夢喰い少女』の新解釈ver.とでも言えばいいのかな。もはや全然別物だけど。以前は映像なしで演奏していたけれど、今回は加藤隆さんによる映像あり。映像のスクリーン(?)がメンバーの前に出ていたため、演奏している四人の姿は一切確認できず。映像からは母性をとても感じられて、私の感じていた『沙上の夢喰い少女』の持つ儚さ、孤独への救い、みたいなものはなかったな。まだまだ馴染むには時間がかかりそう。アコギ一本に米津君の声だけという、特別な空間を望んだのは欲張りだったのかも。

 

MCで少し煽っての『ゴーゴー幽霊船』から『ドーナツホール』。ホールでも関係なく盛り上がる。

それから『アイネクライネ』。何度も何度もこの曲を聴いてるけれど、『アイネクライネ』の照明は一貫している気がする(他は知らん)。ピンク系メインで、サビ前から青やら黄色やらいろんな色が現れる。音響の良いフォーラムで聴けて嬉しかった。静まり返る何千人の空間も心地よくて好き。

 

『LOSER』では今回米津くんは踊らなかったけれど、それでも楽しかった。リズム感が本当に素晴らしい。

『love』では、『ゆめくい~』と同じく加藤隆さんによる映像。ステージ後方に映るスクリーンをわざと上下で若干ずらしていたようで、どこを見たらいいのか少し目のやり場に困った。動植物の命が脈打つようなアニメーションだったんだけど、前回(昨年冬)の演出とは全く違っていて印象がガラッと変わった。

前回が、美しくありながらも少し寂しくて、その寂しい、もの悲しい中にある静かな愛を歌ってる曲だと解釈してたもんだから、スケールが何十倍にも広がったことにびっくりしてしまった。手のひらサイズの箱庭を眺めているつもりだったのが、地球規模だったか…みたいな。

そして畳みかけるように演奏した『fogbound』『春雷』という二曲の新曲。前者はかな落ち着いた曲で、クールかつダークな曲。映像はHQさん(?)によるもので、青系の、やっぱりクールなもの、と思いきや、途中でスペイシーなよくわからんものに変わっていった。頭で情報処理がとても追いつかず。

後者はこれまたリズム感が最高な曲(特にドラム!)で、こちらもHQさんによるものだったんだけど、こちらは曲にピッタリだなと一度観た(聴いた)だけでしっくりきた。

使ってる色は派手だけど、曲(というより音の並び方?)に対する映像のシンクロ具合が気持ちよいと感じた。邦楽であまり聴かない、というか、なんだか洋楽のような音作り、映像だなとも思ったところ。感覚的なのでうまいこと説明できないけれど、海外からも評価高そうだなという印象。

新曲で本編を終えるというのも斬新で、今の米津君のモードを映している気がした。

 

本編終わってアンコールでは『アンビリーバーズ』『Neighbourhood』の二曲を。

一昨年フェスで観て冷や冷やしたことが信じられないくらい逞しくなった『アンビリーバーズ』はホールでもかっこよく響いてた。声、良く出てたね。

『Neighbourhood』は、曲の前(『アンビリーバーズ』前かな?)にMCで語った、地元が田舎であることの憂鬱、そこから飛び出すのも悪くないよという話、隣で今日もギターを弾く中ちゃん、という、このへんの事実がさらに私の気持ちを高ぶらせて泣けてきた。

改めて、人前に出てミュージシャンとしてこれからも東京でずっとやっていくことの決意を米津君に見せつけられた気がした。

そして…正直なことを言うと、技術的に、中ちゃんだとギターはどうなんだろう、フォーラムって、音響のとても優れたホールだよ?!と、冷静(冷酷?)に考えることもあったんだけど、今回ライブを観ることが出来て、米津君の隣でギターを弾くのは中ちゃん以外に在り得ないんだなと痛感した。彼じゃないとだめなんですね。穏やかな気持ちで末永く見守りたい。

 

●セットリスト●

01 ナンバーナイン

02 フローライト

03 メランコリーキッチン

04 あたしはゆうれい

05 翡翠の狼

06 Black Sheep

07 砂の惑星(新曲)

08 orion

09 ゆめくいしょうじょ

10 ゴーゴー幽霊船

11 駄菓子屋商売

12 ドーナツホール

13 アイネクライネ

14 LOSER

15 ピースサイン

16 love

17 fogbound(新曲)

18 春雷(新曲)

En

01 アンビリーバーズ

02 Neighbourhood

 

演出は非常に凝っていて、楽しませようという気概がたっぷり感じられた。

自分の聴覚・視覚的相性は別にしても、今までやってきたことを自ら壊して別のものを再構築しようとする精神は前向きで本当に素敵だなと思った。

ただ、米津君の成長(というと上から目線すぎて違和感が酷い)が客の耳の早さを遥かに上回ってる気がする。今後が楽しみで仕方ないのは本音なんだけど、それと同時に、自分の速度が米津君の速度にいつか追いつけなくなるんじゃないかという不安が出てきたことも本音。ずっと同じ距離、同じ熱量で、変化をいとわない人・ものを追いかけるのはそんなに簡単なことじゃない。

とんでもない怪物を追いかけてしまったもんだなー。

 

2016年ライブ総括

 今年観たライブで特に良かったもの(時系列順)。

⑦まで一応書いた。後半が無駄に長い。

①1/24(日)ストレイテナー@東京ビルボード

正装でおめかししてアコースティックワンマンをお披露目してくれたんだけど、とってもかっこよかった!セットリストがアコースティックらしく、自分好みに寄っていたこともあるけれど、どの曲もアレンジが素晴らしくて、昼の部ながらも夕暮れから満月の上る東京の夜景という二つの背景をバックに(←ただし幕が上がったのは途中から)聴くことができて贅沢なひと時だった。

アンコールで演奏した「Lightning」の鳥肌もののアレンジはいつかまた大勢の前で披露してほしい。

②3/13(日)蓮沼執太フィル@浅草アサヒ・アート・スクエア

会場の老朽化による閉館が決まったため、その閉館イベントという名目で行われた蓮沼執太フィルの久しぶりの演奏。クラムボンのトリビュートで彼らの音に心奪われた時からこの日をずっと待っていたよー。

環ロイ氏だけ来られなかったけれど、普段のフィルとは異なる編成で演奏したというこのライブ、楽しすぎた。投げ銭制にもかかわらずもりもり曲を演奏してくれて大満足。会場の真ん中にセットがあり外側からそれを眺める(演者の背中から観る)というのも久々で面白かった。

蓮沼フィルの演奏を聴いてると心が清められてく気がするし、前向きな気持ちになれるしで、私みたいなネガティブさんにこそおススメしたいよ。

③5/11(水)THE YELLOW MONKEY@代々木第一体育館

年明け1/8に再結成がアナウンスされたイエローモンキーのツアー初日。

年内一度くらいツアーを観れたらいいなとぼんやり思っていたらたなぼた(?)で行けることに。初めての代々木体育館、なかなか天井に近い座席だったけれど、そんなの関係なく思い切り楽しめた。

カウントダウンが終わりステージにメンバーがそろう前から緊張感やら高揚感やらごちゃ混ぜになっていて、会場内の空気にはっきり感じられる皆のエネルギーが最高だった。おじさんたち、見た目の麗しさもさることながら、演奏の一つ一つがものすごくキマッていて何度も何度もドキドキワクワクした。私は特にエマさんのギターにメロメロ(死語?)です。

まさか自分の歳でこのバンドの活動に立ち会える日が来るなんてね。

④11/10(木)ストレイテナー@昭和女子大学人見記念講堂

ストレイテナーの2016年ツアーファイナル。6月から始まったツアーはそのどれも異なる雰囲気で良かったんだけれど、まったりと指定席で楽しめたこちらをベストには挙げてみる。

ツアー後半から「Dark City」を一曲目に持ってきたらしいんだけど、このセットリストの入替は良かった。ツアータイトル入ってるし、盛り上がるしで、ライブの始まりらしいんだもの。11月にちなんだお馴染みの「The Novemberist」や他の公演で聴けなかった曲は勿論嬉しいんだけど、その他にもイントロアレンジのたまらない「The Place Has No Name」、静と動の落差の美しい「Goodnight,Liar Bird」などもぐっときた。音響の良さもあってかホリエさんの伸びやかなお声!泣

メンバーのゆるさと演奏中の安定したかっこよさに、何度観ても心が落ち着く…。ばっちりシンペイさんのドラムも拝めたし御利益あるかな。

⑤11/16(水)フジファブリック@赤坂BLITZ

フジファブリックの初モバイル会員限定イベントの『FABRIC THEATER』、

これがアコースティックワンマンだったんだけど、6月に観た通常モードのライブに続きびっくりするほど楽しくてほんわかしてた。良いライブだった。

最近の曲のポップさはアコースティックだとどうなるんだろうとソワソワしていたけど、これがどれも良くって。特にダイちゃんのピアノで曲が生き生きしてると感じる瞬間が度々あった。「バウムクーヘン」は歌うの勇気が必要だったろうな。「笑ってサヨナラ」は志村のクセが肝であったはずなんだけど、総くんの歌い方も悪くなかったしひとつボロボロ涙が出るほど好きな歌い方の部分があった。

「ダイナマイト」のアレンジが好きすぎたんだけど、曲の良さもきっと大きいね。今後もたまにはエレキででもこのカバーを聴きたいな。

今のフジファブリックの状態がいいことはライブを観たらよく伝わると思う。純粋に楽しいよ。

⑥11/23(水・祝)米津玄師@豊洲PIT

 今年二度もツアーを行った米津くん。上期に行ったツアー『音楽隊』も良かったのだけど、下期に行ったシングルリリースのツアー『はうる』の初日が個人的には特にぐっときたのでこちらを挙げる。

アルバムツアーと異なり曲に幅を利かせられるシングルツアーは本数が少ないのが惜しいほど面白みがある。曲を予想しづらいことも良いのよ。

夏フェスから3か月、現在はどんな感じかしらとそこまで過度の期待は抱いてなかったけれど、完成度の高いライブだった。演奏云々以上に(ごめんね)彼のライブは芸術性の高さが魅力的。どうしたら曲の世界にこっちが入り込めるか、非日常的空間に連れて行けるかよく考えられてる。

「KARMA CITY」はライブで演奏すると思っておらず不意打ち。CDで聴くよりドロドロしていてピンクっぽい照明と合っていた。アウトロを「amen」のイントロと重ねて、鐘の音を鳴らすというのが鳥肌もの…。米津くんのくねくねダンスが曲の不穏さを増幅させてた。そして極めつけは「Black Sheep」。こんなに早くにライブで聴けるとは。前二曲を経ての「Black Sheep」というのがとても良かった。CDで聴いてるときにはもっと無機質な印象だったのに、血が巡ると余計に泣きたくなるような曲だったんだなとハッとした。

新曲の「love」は歌詞が救いを求めるような、祈りのような曲で、さらに音はエレクトロニカ調だったもので、私は大歓喜。冬の夜の寒さがよく似合って、灯りみたい。照明が蝋燭の光のようで良かった。こういう曲を待望していたものの、もう少し時間を経て制作してもらえるかなーなんてのんびり構えていたよ。甘く見てた。

それからアンコールで演奏した「花に嵐」、これは個人的に好きが過ぎる曲で、以前ツアーで聴けたときも嬉しかったんだけど、今回聴けてより好きになった。

アレンジが違ったよね?若干だけど、そう思った。

二本のギターの音の重なりあいが本当に綺麗。ホリさんのドラムイントロも愛してる(須藤さんは安定です)。そして最後の声がひっくり返るところ、あれは溜息が出るほど美しい。高音を出そうとして掠れる声に私はとても弱い。はぁ。

アンコール最後に持ってきた「ホープランド」は悪くなかったけど、どうせなら前回のツアーと違う締め方をしてほしかったというのが本音。

MC少なめで、客からの野次も名前呼びも皆無であったことがこの日のライブの空気を作っていて、心から集中してライブに入り込めた。空気が出来上がっていたもんね。こういうライブに出くわせて嬉しい。

ますます今後の動向から目が離せないな。

⑦12/3(土)METAFIVE@ZeppDiverCity

サマソニで少ししか観ることができず悔しさから勢いで取ったMETAFIVEのライブ。

あまりのかっこよさに目頭が熱くなった!!!もう、暗転してからスクリーンに映し出されるOP映像が始まってそこから怒涛の2時間弱。

音の洪水ってこういうことを言うんだなと。どの瞬間を切り取ってもかっこいいんだよ。無駄な音がなくって耳が足りないー。

特に新譜の曲がどれも良かった。ライブ映えする曲ばかりだね。「Submarine」始まりは予想外だったもののなんだかスッと体に入り込んできたし、「Peach Pie」は鋭いナイフみたいで切れ味抜群でビリビリした!なんなの!すごい。

アンコールも泣きそうになるくらいには感動しちゃったんだけど、本編ラストの「Disaster Baby」でのフロアが明るくなって、ライブが終わる寂しさとMETAFIVEサイコーーーな気持ちが混ざり合って、というあの時間が未だに忘れられないんだ。最高の音楽おじさんたち愛してる。

 

そんな感じで2016年もライブを満喫した一年だった。

 

 

2016年ライブ記録

今年も終わりを迎えるということで、毎年恒例のアレを。

 

●2016年ライブ(備忘録)●

1月

9(土)米津玄師@ZeppDiverCity

24(日)ストレイテナー(アコースティック)@東京ビルボード

30(土)米津玄師@ZeppFukuoka

2月

6(日)米津玄師@ZeppTokyo

11(木・祝)米津玄師@豊洲PIT

12(金)米津玄師@豊洲PIT

26(金)米津玄師@新木場STUDIO COAST(フリーライブ)

3月

13(日)蓮沼執太フィル@浅草アサヒ・アート・スクエア(投げ銭

22(火)J-WAVEライブ(Suchmos/サカナクション/Charisma.com)@新木場STUDIO COAST(招待制)

27(日)空間旅行(五味岳久/成山剛)@代々木Zher the ZOO

4月

1(金)GRAPEVINE@赤坂BLITZ

18(月)アコースティックの夕べ(クボケンジ/成山剛/菅原卓郎/いちろーとせんせい)@新宿LOFT

23(土)Suchmos@渋谷クアトロ

29(土)アラバキロックフェス

30(日)アラバキロックフェス

4(水・祝)TOKYO M.A.P.S(大原櫻子/フラワーカンパニーズ/在日ファンク/EGO-WRAPPIN')@六本木ヒルズアリーナ(フリーライブ)

11(水)THE YELLOW MONKEY@代々木第一体育館

14(土)東京蚤の市(成山剛)@京王閣(フリーライブ)

21(土)cero@日比谷野外音楽堂

25(水)小沢健二@ZeppTokyo

28(土)YUKI@日比谷野外音楽堂(音漏れ)

6月

4(土)aiko LLP vol.19@NHKホール

11(土)ストレイテナー@長崎DRUM BE-7

12(日)ストレイテナー@大分DRUM BE-0

19(日)9mm Parabellum Bullet@日比谷野外音楽堂

7月

2(土)ストレイテナー@浜松窓枠

20(水)新木場サンセット(スピッツ/米津玄師/Syrup16g/赤い公園/UQiYO)@新木場STUDIO COAST

30(土)嵐@鹿児島アリーナ

8月

7(日)まじ娘。@京都SOLE CAFE

12(金)RSR'17

13(土)RSR'17

21(日)summer sonic'17

9月

6(火)蓮沼×執太@Shibuya WWWX

29(木)ストレイテナー@品川ステラボール

11月

5(土)Hutte-ヒュッテ-(よしむらひらく+西田修大/タカハシヒョウリ/宮本英一)@高崎SLOW TIME cafe

10(木)ストレイテナー@昭和女子大人見記念講堂

16(水)フジファブリック@赤坂BLITZ

23(水・祝)米津玄師@豊洲PIT

12月

2(金)cero新木場STUDIO COAST

3(土)METAFIVE@ZeppDiverCity

8(木)米津玄師@Zepp Tokyo

 

上半期25回、下半期16回の年間41回(41日)ライブを鑑賞していた模様。

フリーライブを除くと36回、うち遠征は9回(フェスは2日であっても1回にカウント)。

昨年よりは落ち着いた気もするけれど、もっと数を絞りたい。

鑑賞回数の上位をカウントすると

1 米津玄師(10)

2 ストレイテナー(7)

3 Suchmos(4)

cero(3)

4 成山剛(3)

という具合。

想通りでしたー。

3/13(日)蓮沼執太フィル@浅草アサヒ・アートスクエア

念願の蓮沼フィルのライブ…!気になりだした頃にはツアーは終わり蓮沼さ

はフィルでの活動をしてらっしゃらなかったので、およそ2年越しのライブ。

セットリストは全然覚えてないのだけど、フリーライブの割にけっこうな曲数をやったと思う。アルバムの中から6,7曲は披露したのでは。

環ロイはよその小学校でのイベントにつき不在ということもありイレギュラーな編成だったみたいだけど、それでもとても楽しめた。

人が多すぎてばっちり夫々の演奏姿を拝見できたわけではないのだけど、楕円形の会場なため、楽器の位置によってはちゃんと観れたり。私の位置からはマリンバとかドラムとかは見えた。でも、見えなくても楽しいんだなー。

緻密な音楽なんだろうけど、聴いてるこっちには縛るものは感じられずすごくゆったりとした気持ちでいられてすごく心地がよい。多幸感というとちょっと違うかもしれないけど、音楽っていいなとふっと感じる瞬間が何度もやってきた。

 

あの空気は一度味わってしまうと忘れられなくなるタイプのものだね。

またフィルで演奏してくれないかなー。